【一棟目不動産購入記】第2話|物件購入

【一棟目不動産購入記】第2話|物件購入

一棟目を買うと決めた瞬間から、時間の流れが変わった。考えるより先に、判断を迫られる場面が次々にやってくる。

内見、決断、手続き。

一つ選択をすると、すぐに次の選択が現れる。立ち止まって整理する余裕はなく、進みながら考えるしかなかった。

ビルトです。資産形成につながる内容を発信しています。

2022年12月、物件を購入する

築46年のボロボロ物件

12月10日、購入することになる物件の内見をした。千葉市にある350万円の戸建て。新着情報をネットで見たときから良さそうな予感はしていた。周辺相場よりも破格の安さ。

同じタイミングで内見に来ていた人が数名いた。かなり反響があるようだった。

▲空室期間が長く全面的リフォーム必須(床がベコベコ)
▲残地物もりもり(昭和の文藝春秋が置いてあった)
▲再建築不可

と、ぱっと見では躊躇する物件ではあった。

◯賃貸需要がある立地
◯2階建てのコンパクトな間取り
◯躯体がしっかりしている & 2階の状態がいい

という強みも持っていた。

問い合わせた仲介会社の担当者自身が不動産投資をしているオーナーとのことだった。私が一棟目物件を探していることを伝え内見を進めていく。投資家目線で話せることが面白く、担当者が頼もしく思えた。

12/10、内見した日に買い付けを入れる

物件自体はいい。しかしリフォームにはかなり金がかかるし一棟目物件として困難が多い。

・公庫からの借入れ(350万)が手元にある
・物件価格は350万
・入居づけに困らない立地
・リフォームの知識はある(YouTube仕込み)
・リフォーム資金はなんとかなる(リフォーム資金で融資、もしくは自己資金)
・リフォームが上手くいけば高値で売却もできる(貸してよし売ってよし)
・まずは一棟目を始めてみたい

物件近所のラーメン店で昼食を食べながらこんなことを考えていた。このタイミングで物件を逃すと、次はいつ物件を購入できるかわからない。

食べ終わると仲介会社の担当者に電話で購入の意思を伝え、不動産買付申込書を送った。

その日に管理会社を決める

物件のある街に来るのは初めて。事前に駅や周辺情報を調べてきたとはいえ、地元の不動産会社の声を聞いておきたい。

駅前の2社の賃貸仲介会社でヒアリングをすることにした。

・賃貸需要はどうなのか
・このエリアの住む層はどうなのか
・どの程度リフォームして集客していくか
・家賃はどれくらいになりそうか

2社目の会社は店長が話を聞いてくれ、誠実な受け答えに好感をもった。右も左も分からない私には、これからのリフォームや客づけを一緒に進めていけるような存在が欲しかった。

この第一印象を信じ、この会社と専属専任契約を結び仲介と管理をお願いすることにした。

12/12、法人を設立

不動産を事業としてやっていこうと腹を括ったときから、法人にすることは決めていた。

11月から税理士と手続きを進め、12月12日を設立の日とした。

法人名を決めたことで実感を持つことができた。今まで存在していなかった”人格”がこの世に一つ増えるという不思議な感覚だった。

不動産の売買契約まで

12/23、日本政策金融公庫で融資を打診

すでに公庫からコロナ融資で350万円の借入れがある。物件価格と同じというのが気になるところだが、同じなものは仕方がない。

リフォーム資金をさらに借入れることで手元資金は残しておきたい。

12/16、12/21と書類作成をし、12/23に面談と行なった。

作成・提出した資料(クリックで開く)

・2期分の確定申告書
・事業用通帳
・身分証
・2022年の月収一覧
・預金通帳

/

・見積書(物件購入費用350万、内装120万、外壁130万)
・設立登記申請書
・創業計画書

・企業概略書
・登記簿謄本
・物件資料(マイソク、履歴事項証明書)
・固定資産税証明書

こちらの希望通りとはいかなかったが、担当者の反応はまずまずだった。
・据え置き3年は難しい →2年で
・返済期間は10年は難しい →7年で
・事業融資ではなくコロナ融資として

後日、公庫での融資が却下

担当者から電話があり、「検査済証がない」という理由で融資は却下された。

検査済証がない =「その建物が法律どおりに完成したと、国(役所)が確認していない」という扱いになる。

違法建築の可能性、将来の是正命令、売却時の流動性の低さ。そういったリスクを、金融機関は背負えない。特に公庫は税金を原資にしているため、グレーな判断ができずルールに厳格。

昭和築の物件では、完了検査を受けなくても建物を使えた時代が長く、書類を紛失しているケースも多い。そのため検査済証が残っていない物件は決して珍しくない。

融資が却下となり、リフォームを自己資金でやることになってしまった。

12/23、火災保険に加入

いよいよ私は物件オーナーになる。火災保険に入らないといけない。

オーナーの火災保険は「建物を守る保険」で、火事だけでなく台風や落雷なども対象になる。さらに、水漏れなどで第三者に損害を与えた場合の賠償や、事故で貸せなくなった期間の家賃補償を付けられることもある。

入居者保険が“入居者の家財と過失”を守るのに対し、オーナー保険は“建物と賃貸経営”を守る。

ひよっこオーナーの私は、火災保険の調べ方すら分からず、ほけんの窓口に向かった。火災保険が値上がりしていたこともあり、5年プランに加入した。

・三井住友海上
GK すまいの保険、フルサポートプラン
285,800円(一年毎の支払い、57,160円)

当時は、どこまでが必要でどこからが過剰なのか分からなかった。だからこそ、“一番安心できそうなもの”を選んでしまった。

12/26、契約・決済

いよいよ契約の日。仲介会社での手続きに向かった。物件購入費用は現金となるため、350万円を鞄に入れていく。この金額の札束を持ち歩く経験は今後もなかなかないだろう。

駅から離れた雑居ビル。看板があるからここだとわかるものの、いい立地で店舗を構えるような不動産会社のイメージとは真逆で「こんなところに会社があんの?」だった。

内見のとき以来で、仲介会社の担当者と顔を合わせる。売買の重要事項説明を聞き、売主と行政書士をまじえ契約を進めていく。

ここでふと思う。相手が地面師だったとしても私は全く気が付かなかっただろう。

この日、契約を済ませ350万円を支払った一連の流れでこちらが「信頼している根拠」は何かというと、実は 物件情報と、現地で会った担当者の顔 くらいしかない。

・物件価格 3,500,000円
・登記費用 127,060円
・司法書士費用 87,384円
・仲介手数料 176,000円
(350万x4% +2万、+税)
=合計3,890,444円

ズブの素人が不動産の世界に足を踏み入れた日。こうして私は一棟目を持つことになった。

第3話に続く。

page top